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 今朝目にした STAP細胞についての記事

 かつてSTAP細胞フィーバーといった様相を呈した時期 私は研究内容よりも 社会の異常なほどの反応に違和感を覚え、研究も含めたそれらの出来事から距離を置いて 社会の現象を眺めていました。そんなこともあってSTAP細胞の研究やその後の捏造問題の詳細に触れることなく過ごしてきたのですが、たまたま目にしたこの記事の “「慢性的な酸性環境に置く」(=「酸性浴で培養」)ことで 細胞が多様性を持つようになった” という趣旨の記述にとても興味を持ちました。

 STAP細胞報道で耳にした「酸性溶液につける」という行為を 「慢性的な酸性環境に置く」と置き換えた途端、そのことと有酸素運動の関係性が気になってきたのです。

 適度な有酸素運動は 脳を含めた全身の細胞を活性化し 細胞や神経回路を再構築していきます。細胞は 適度なストレス(*熱や重力など)を受けると ヒートショックプロテインなどのシャペロンによって、修復や書き換えが行なわれます。


ストレスは体の均衡を脅かすものだ。体はそれを克服するか、それに適応しなければならない。脳で言えば、ニューロンの活動を引き起こすものはなんでもストレスとなる。ニューロンが発火するにはエネルギーが必要で、燃料を燃やす過程でニューロンは磨耗し、傷ついていく。ストレスという感覚は、基本的には脳細胞が受けているこのストレスが、感情に反響したものなのだ。

<『脳を鍛えるには運動しかない』P.76より>


 神経科学者が「ストレス免疫」と呼ぶらしいこの現象において 細胞が初期化されたと同義に近い多様性を持つ“ニュートラル”な状態が 存在しているのかもしれません。
 冒頭の記事によれば、STAP細胞の論文には「酸性浴のほか、細胞を初期化するさまざまな刺激方法が書かれて」いたとのこと。その刺激方法とシャペロンが活動する状況を突き合わせてみたいものです。

 酸素 熱 重力…

 シャペロンを発動させる要因を見ているうちに、ふと、生命の進化の過程で(非常なる)ストレスだったもの あるいは 生命の誕生や進化における重要な働きをしたストレスが、細胞の活性化 そしてもしかしたら多様性や初期化のトリガーとなっていたりして… という思いも湧いてきます。もしそうなら 圧力や(海)水や宇宙線などもトリガーたりうるかもしれません。さらに “生命が生きのびてきた環境”や“生命を育んできた条件や要因”にまで想像を膨らませるなら、振動や電磁波/場なども細胞の変容に関わっているのでは と思えてきます。

 あと この仮説を前提とするなら、生命の維持に酸素を必要としてない(つまり酸素が生命進化においてストレスとならなかった)嫌気性の生物の細胞も 酸性浴によって多様性を持つようになるのか、ということも知りたいところです。

「金融」とは 「金銭の融通」の意とか。
「融通」とは 仏教用語で「別々のものが融け合って一体になり、通じ合う」意とか。

とすれば 金融という言葉の本義は、「別々の(所有者の)金銭が融け合って一体となり (社会に)通じ合う」。利子がついて戻ってくる 現在の金融商品のあり方とは、異なる感じがします。

回収したら 堂々巡り、
流れは閉じてしまいそう

安心して開いていられるデザインとは…
 今日 IPMU(東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙機構)のフェイスブックを覗いたら、「銀河団の内部構造と周辺のダークマター分布の間に関係性があることを世界で初めて発見しました」との記事。以前観たテレビ番組で 銀河を取り巻くダークマターの立体地図(*下記の図を参照)が紹介され 銀河とダークマターの関係性が示唆されて(いたように理解して)いましたし、宇宙の大規模構造はダークマターによるものだと 宇宙の講座で聞いたように記憶していましたので、この記事を読んで 今まで見聞きしてきたことは 理論的な推定であって まだ実証されていたわけではなかったことをようやく理解したのでした。


ハッブル宇宙望遠鏡でろくぶんぎ座の一角にある重力レンズ現象を観測。さらに、すばる望遠鏡で同じ領域の奥行きを計測。これら二つの望遠鏡のデータから導き出したダークマターの立体地図。小さく輝いているのは銀河です。

<コズミックフロント☆NEXT「ダークマター 謎の物質の正体は?」より>



 「思いつくこと」と「それを証明すること」には 大きな隔たりがありますが、「証明」においても 「理論的な証明」と「観測における証明」の間に大きな隔たりがあることを、改めて実感しました。
 超弦理論では 時空間は11次元や10次元とされ 私たちが体験している4次元以外の余剰空間はとても小さく折りたたまれているために 見ることができません。しかし、超弦理論だけに基づく“観測可能な予言”をし それが観測できれば、間接的ではあるものの理論の信憑性は高まります。だからこそ、数学を進化させて 観測可能な予言をしたいと、ある研究者の方がおっしゃっていたのですね。



 今回の発見は、私の中では 先日紹介した「量子もつれが時空を形成する仕組みを解明」した研究と ダイレクトな繋がりを感じます。しかし それを「証明」するのは かなり大変なことです。

 「量子ゆらぎ」と「量子もつれ」と「重力」…

 重力は時空によって生まれるのではなく 重力のひとつの現れが時空なのでは…
 重力はゆらぎそのものなのでは…
 いや、ゆらぎの現れが 重力であり 時空であり この宇宙に存在しているもの なのかも…
 重力波が光速なのではなく 光子が重力波の速度に拠っているのでは…
 E=MC2は実は E=質量(≒動かしにくさ:関係性の一つの指標)×「重力波の速度」の二乗なのでは…

 と、素人は 己の「認知バイアス」に従って 勝手に想像を膨らませています。






【余談】

 この宇宙に存在するものが、量子もつれの関係にあるかどうかは まだ不明ですが、決して遮られることのない(ブレーン宇宙論では私たちが認識できない余剰次元や他のブレーン宇宙に伝わるとされる)重力によって関係しあっていることは 確かだと思われます。占星術も ヒト/地球と星々の重力の関係性と捉えることもできますね。
 谷川俊太郎さんは「二十億光年の孤独」の詩の中で「万有引力とは ひき合う孤独の力である」と記していますが、私には「重力とは 孤独を包む真綿の衣[ころも]」に思えます。



【余談その2】

 バックミンスター・フラーのテンセグリティの考え方に拠るなら、この宇宙に存在する(重力以外の?)ものが「圧縮材/圧縮在」で 重力(場?)が「張力材/張力在」ということになるのかな…。






 ビレンキン博士が唱えた「無からの宇宙創成論」では、宇宙は 素粒子の生成と消滅によって泡立つように揺らいでいる「無」の状態からトンネル効果によって誕生したと考えられています。これは 理論的な予想であって その真偽はまだ不確かです。
 しかし「量子ゆらぎ」や「ゆらぎ」そのものから いろいろと連想するものことがあります。



 ゆらぎ = 確率
       偏り ムラ  →  物質や意識 宇宙背景放射
                 ダークマター 重力

       可能性 選択肢
       関係性 相関性  →  時空 重力 ダークマター
                   量子の振る舞い




『9次元からきた男』で描かれた 次元を超える様子は、
都心のビルが 稲荷神社の赤い鳥居に変わる
観客が観ている画面を 掴み取る
ホールのステージにいて 周りの座席だけを回転させる
画面から飛び出す…
など、
非日常的な関係性をつくることであったり
メタ(meta-)的なものであったり

意識においては 非常に馴染みのあるものです。


次元とは 関係性 とも捉えられるので
次元もまた ゆらぎ と非常に近しいものに思えます。


私たちの存在の 最小の“構成するもの”が 量子であるとするならば、
私たちは 最小の領域において 量子として揺らいでいるわけで
そのゆらぎの場は 宇宙の始まりの場と同じ「無」ということになり
私たちは 宇宙の始まりと常につながっている と捉えることもできそうです。


意識が 現実にないものを想像できる/創造できるのは
なんだか そういうところに理由が潜んでいるような気がしてきます。


現時点で 超弦理論において予測されている時空は 11次元。

  1. 物質世界の空間 3次元
  2. 意識世界の空間 3次元
  3. 物質と意識をつなぐ空間 3次元

  4. 物質世界の時間 1次元
  5. 意識世界or物質と意識をつなぐ場の時間 1次元

  2+3(+5)→ カラビ・ヤウ空間(6次元or7次元)

なんて妄想が浮かんだりもするのです。 
(「物質」「意識」というカテゴリー分けが いまひとつしっくりきませんが…)


また、内側よりおのずから湧き出る「悦び」や「内発性・自発性」というものが、生成消滅を繰り返し沸き立っている「無」のイメージに 連なり重なります。





【注】meta- < PIE root “me-”(=in the middle)

 昨年「量子もつれが時空を形成する仕組みを解明」という報道に触れ、私にとって“時空の形成”とは宇宙の始まりと限りなく同義であるがゆえ それが量子もつれによってもたらされているとするなら この宇宙のすべては“量子もつれ”の関係にあることが証明されたのでは!と ひとり大いに興奮しました。

 私の理解(*この文章に限らずすべての文章は、その時点での私の理解に拠っていますので 間違い・勘違いがあるかもしれぬことを ご了解くださいませ)では、量子もつれとは 離れている2つの粒子が何の媒介もなく同期して振る舞う現象のこと。本当に 量子もつれによって時空が作られたのなら その時空上に展開しているこの宇宙のすべては 量子的に相関関係にある と言えるのではないだろうか、ひいては 物理/物と意識の繋がりが 見えてきたと言えるのではないだろうか、と考えたのです。

 実は 先日「宇宙物理学と仏教の対話」の講座に参加したのは、その研究をされた大栗博司さんが二人の講師のうちの一人であり 3回シリーズの最終回とあって 何か物理と意識の接点みたいな話が聞けるのではないだろうか、と期待してのことでした。

 講座の内容自体は 私の予想は大きく外れ、それぞれが自分の研究について発表され 聞いている側の講師が適宜質問をする というもの。「せっかく遠路はるばるやってきたのに 残念」と思ったのですが、それは後日 もう一人の講師であり今回の講座の進行役でもある佐々木閑さんの本を開いたとき 己の浅はかさとともに その講座の意図を分かっていなかったことに気づかされたのでした。

 幸い講座の終わりに質問の時間が設けられたので、「大栗さんの今回の研究に基づいて 宇宙のすべては量子もつれの関係にあると考えるのは 拡大解釈しすぎでしょうか?」と尋ねてみました。

 そこは やはり 世界トップレベルの科学者です。

 いろんなことに安易に当てはめ 解釈を自分の希望に沿って拡大していこうとする 素人に対し、今回の研究は近似でしかないこと ゆえにまだまだ数式を洗練させていかなければならないこと また 時空というものが一般相対性理論における仮説であること 仮に数式で正確な証明ができたとしてもそれは理論における話なので観測できる予言を行って実証される必要があること(*ここで要約した内容は私の理解によるものなので おしゃったことと違っているかもしれません)などを、説明してくださいました。

 また、この講座で知り合った方が持っていた佐々木さんの本を 後日取り寄せてみたところ、序文にはこのように記されていました。

 ある面からみれば、科学と仏教は似ているように見えるのに、別の面から見るとまったく違うものに見える。こういうことが起こった場合、結論をいそぐと失敗する。まず考慮すべきことは、両者を並べて見る場合の、そのスケールをしっかり見きわめることである。ふたつのものを見比べるにしても、それを一体どういうスケールで見るのか、その視点の違いによって、両者は同一物に見えることもあるし、まったく別ものに見えることもある。リンゴとミカンを百メートル先から見比べれば、区別のつかない二つの球体だが、蟻さんの視点で見ればまったくの別ものである。このことをよくわきまえず、自分の勝手な思い込みで独断的に結論すると、科学を汚染し仏教を冒瀆する怪しい神秘論になってしまう。自分が比較したい点だけをひっぱり出してきて並べて見せて、「ほら、科学と仏教にはこんな共通点があるんです。だから科学の本当の意味を知るためには、仏教の神秘や直感を理解する必要があるんです」と言った愚論を開陳するはめになるのである。肝心肝要な部分に神秘性を持ってきて、それで科学の意味づけをしようという安易な論法である。

 一時、思想界に病毒をまき散らしたニューサイエンスはその典型であるし、今でも、引退した科学者が暇つぶしに仏教をかじる場合など、大方こういった方向に進みやすい。確かに科学と仏教のひとつひとつの要素を見ていけば、似ている点は見つかる。しかし実際には、その何百倍も何千倍も、似ていない点があるのだから、個々の類似点を持って、両者の総体的類似性を主張することなどできない。

【『犀の角たち』P.3~P.4】

 佐々木さんが指摘される「怪しい神秘論」や「安易な論法」は いわゆるスピリチュアルや精神世界といった分野で 普通に見られます。そして困ったことには、物理学や数学の十分な知識もない者が 現在の物理学は偽物で今ここで(その人が信奉する人物によって)唱えられている知識こそが正しいと、無条件に思い込んでいるのです。

 京都大学の工学部を卒業したのち同大学の文学部で仏教学を専攻された佐々木さんにとって、量子と意識の類似点をあげつらうような安易な企画は 選択肢になかったのでしょう。

 もちろん 現在の科学 現在の知識が この世界の全てを説明できるわけではありません。トップレベルの科学者は そのことを十分かつ最も理解していると思われます。

 私が大栗さんを素晴らしい科学者(ひいては人物)と思ったのは、数年前に受けた講座でのこと。大栗さんの書著を読めばわかるように 世界トップレベルの仕事をする一方で 最先端の知識を数式を用いずわかりやすく伝えるその能力と意欲に 大いに惹かれました。そして、「神様から教えてもらって 宇宙の謎を全て解きました」という女性に対し、多くの聴講者のように失笑したり眉をひそめることなく その正しさをきちんと(物理的・数学的に)証明してください、というような返答をされたのでした。


 インド人の天才数学者であるシュリニヴァーサ・ラマヌジャンに 「夢の中でインドの女神に方程式を教えてもらった」という逸話があるように、当人が(神様からの啓示であれ 直感であれ)どう認識するにせよ “ひらめきのように生まれる理解”というものがあります。それは多分 睡眠中に脳が行っている情報統合のはたらきと関連していると思われますが、それらがどんなに素晴らしくとも他者が理解できるように伝えることができなければ 人類共有の智とは成り得ません。「思いつくこと」と「それを証明すること」には 大きな隔たりがある、とある数学の研究者が話していたことを思い出します。

 物理学者の講義で聞いた話によれば、時空が同じものであることは アインシュタインの他にも少なからぬ人たちが指摘していたそうです。その中にあって アインシュタインの素晴らしいところは それを(それまでの物理学を踏まえ 他の科学者が納得でき また後世使うことができる)数式で証明したことなのでしょう。余談ながら 今この文章を書きながら、「理」とは、他者と分かち合うことができ 後の人たちも使うことができるフォーマットのようなものなのかもしれない、と思いました。そう思うと、文系・理系という区分けが奇妙に感じられます。いわゆる文系にも「理」はあるのですから…。

 ただこの文章の最後に、「安易な論法」に属するかもしれないれけど 冒頭の研究成果を受けて考えたことを記しておきたいと思います。


 量子について深い知識はないものの、量子の奇妙な振る舞いとしてあげられる「量子もつれ」や「量子のトンネル効果」は 意識のはたらきとの共通点を感じます。超常現象や超能力とされる現象も シンクロニシティやセレンディピティと呼ばれる現象も 量子的な意識のはたらきと捉えることもできそうです。

 何れにしても 現段階では「自分勝手な思い込みで独断的に結論」したことなので、きちんと証明できるようになりたいと思うのですが…。人の生存ポテンシャルとされる120年~125年の折り返し地点付近(±10年)にある今 これからの人生の目標にしてみようかな。と意志する 2016年の年明けand/or旧暦2015年の年の瀬です。


究極の真理へと到達するために精励努力し

心 怯むことなく

行い 怠ることなく

足取り堅固に

体力 智力を身につけて

犀の角の如くただ独り歩め



『スッタニパータ』六八







誰も知らない世の中の真理を、己が力でつかみ取る人たち。
私はこの本を、そういった真理の探究者たちに捧げる。

(略)

科学も仏教も、一人ゆく勇者の世界である。
そこには本当のカッコよさがある。
カッコよくない人生なんか、絶対選んではいけない。
この世の真理を自分の手でつかむために
すべてを投げ打つ覚悟で前進する、
そんな人生を目指してほしい。
それが人として生まれてきた甲斐というものである。



<『犀の角たち』「あとがき 未来の犀の角たちへ」より>





「ルーシーがダイヤモンドを持って空にいるんだ」




Lucy < 光 → 光子:情報を伝達するもの
     輝き → 個々(の存在) 一つ一つ


Sky < 隠された、覆われた → 対称性が破れた現象世界
                  相関によっておりなす世界


Diamond < 不変なもの ≒ 普遍なもの → 対称性 ひとつ




「個々(の情報)/Everything/一つ一つ」は
「普遍なもの/対称性/ひとつ」をもって
「相関によっておりなす世界」にいる

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